こんにちはー!
今回は「はじめてのアクアポニックス」という本を要約していきます。
ここ最近SDGsの影響なのか、アクアポニックスのニュースをよくみかけるようになりました。
自分も農業をしていて、もう少しアクアポニックスについて知りたいと思い、書籍を調べていたところ、この本にたどりつきました。
本書を読んだ感想としては、アクアポニックスのシステムや魚の管理など、知らない部分を多く学べたので良かったです。
そしてこの記事では、本書のここが重要だなと思ったところを自分なりに3つに分けて要約していきます。
- アクアポニックスとは?
- アクアポニックスの特徴
- アクアポニックスで育てれる魚と植物
またこの記事は、アクアポニックスに興味がある方、農業や養殖をしている方にオススメです。
アクアポニックスとは?
まず最初にアクアポニックスとは、水産養殖(魚の養殖)と水耕栽培(土を使わずに水で栽培する農業)をかけ合わせた新しい農業です。
魚の排出物を微生物が分解し、植物がそれを栄養として吸収し、浄化された水が再び魚の水槽へと戻る地球にやさしい循環型農業になります。
アクアカルチャー(水産養殖)とハイドロポニックス(水耕栽培)という2つの食糧生産技術を融合し、自然の生物サイクルを循環させることで成り立っています。
アクアカルチャーの「アクア」とハイドロポニックスの「ポニックス」を組み合わせて「アクアポニックス」という言葉が生まれたと本書では書かれています。
アクアカルチャー = 魚の養殖
ハイドロポニックス = 土を使わずに栄養に富んだ水で植物を栽培する農業
アクアポニックス = 魚と植物を一緒に育てる循環農法
アクアポニックスのシステムとしては、水産養殖に水耕栽培を組み合わせることで効率性を高めると同時に、両方の欠点を補完しています。
魚にエサを与えると、魚は窒素を豊富に含んだフン(アンモニア)を排出し、それが植物のタンクへと流れ、植物の栄養となります。
植物を支える培地(ハイドロボール)は、生物ろ過装置として機能し、魚が排出したフン(アンモニア)は、微生物によって植物が養分として吸収できる物質まで分解されます。
これによって植物が育ち、浄化された水は再び魚の水槽に戻ります。
アクアポニックスは植物、魚、微生物が織りなす生態系の循環を活用した農業です。
アクアポニックスの特徴
次にアクアポニックスの特徴です。
本書では11個ほど書かれてあったのでそちらを紹介していきます。
- 高い生産性
- 設置場所や規模は自由
- メンテナンス負担が軽い
- 水が貴重な地域でも導入できる
- 魚の養殖も同時に行える
- 生態系の縮図を体験
- オーガニック
- 水やり、肥料、除草が不要
- 土作りが必要ない
- 虫がつきにくい
- 高齢者でも作業しやすい
高い生産性
アクアポニックスでは、水耕栽培の約1.5倍以上の生産性を持ち、1反の土地で、約11トンの野菜と、約5トンの魚の生産が可能と本書では書かれています。
また、成長速度や栄養価についても水耕栽培を上回るようです。
設置場所や規模は自由
家庭でも楽しめる小型のものから、商業規模の大型のものまであります。
海外では都市農業の新しい形として、スーパーの屋上やオーガニックフードコートへの設置、または有効活用されていない土地などを再利用する形で広まってきているようです。
メンテナンス負担が軽い
システムの維持に必要なコストは、魚のエサと少量の電力のみです。
水の省エネ
アクアポニックスは、使う水の量を、従来の農業の10%にまで抑えることが可能です。
魚の養殖も同時に行える
自分的にアクアポニックスの一番の魅力といってもいいのがこちらです。
食料生産の面からも生産性が高い農業として注目が高まっており、国連やNGOの最貧国における国際支援活動にも用いられています。
生態系の縮図を体験
小型のものなら自宅やオフィスでアクアポニックスならではの「小さな生態系の成り立ち」を体験することができます。
オーガニック
アクアポニックスでは、農薬や化学肥料は使用しません。
使用すると魚や微生物が死んでしまい、生態系を壊してしまいます。
そのため、アクアポニックスで育った野菜や魚はオーガニックになります。
水やり、肥料、除草が不要
自然の生態系の力を利用するアクアポニックスでは、植物への水やりや肥料、除草は原則必要ないです。
土作りが必要ない
アクアポニックスでは土を必要としないので、そもそも土作りが必要ないです。
虫がつきにくい
アクアポニックスでは土を使わないので、土に産卵する、または土を住処とする害虫は付かないです。
高齢者でも作業しやすい
アクアポニックスでは、立ったまま作業が可能です。
以上がアクアポニックスの11個の特徴です。
また、本書にはデメリットが記載されていなかったので調べてみたところ9個ほどありました。
- 商業規模だと初期投資が高い。(数百万〜数千万)
- 収穫や定植用の機械が無く、人が作業するため人件費がかかる。
- リーフレタスの販売単価が低い。(アメリカだとアクアポニックス産は質が高いので2倍くらいで売れる)
- 認知度が低い。(ブランディングできてない)
- 生産データが少ない。
- 淡水魚が売りにくい。
- 農業と養殖の知識を持った人材が必要。
- 病害中管理が必要。
- 栽培できる野菜や養殖できる魚が限定される。
やはり初期投資が高いというのが多く見受けられました。
しかし、家庭用サイズや小規模のサイズなどあるので、最初は試験的に小型のものから始めるというのもありだと思います。
その他には知名度が低く、まだまだ認知されていないというのもあったのでアクアポニックスの今後に期待です。
アクアポニックスで育てれる魚と植物
最後にアクアポニックスで育てることのできる魚と植物を紹介します。
魚
アクアポニックスで育てることのできる魚は、淡水で育つ魚が基本です。
代表的な種類としては、金魚、コイ、ティラピア、ナマズ、マスなどになります。
また、海水魚での試験も始まっていて、魚はヒラメやフグなどで塩分を調整して植物が育つぐらいまで薄めるというのが今のやり方だそうです。
植物も耐塩性があるトマトやアイスプランツなどを使います。
植物
アクアポニックスで育てることのできる植物は、リーフレタス、コマツナ、ネギ、ルッコラ、バジル、パセリ、セロリ、スイスチャード、ケールなどの葉菜類やハーブの栽培に適しています。
また、果菜類もよく育つそうで、例としては、トマト、イチゴ、トウガラシ、キュウリなどがあります。
アクアポニックスで育てることのできる魚や、植物の組み合わせは多くあり、これからも増えていくと思います。
自分もこの機会にアクアポニックスの小型用の購入を検討してみます。
購入したら、そちらもブログに書いていくので、もしよければ見てください。
今回は「はじめてのアクアポニックス」の本を要約していきました。
この記事では、本書のほんの一部しかお伝えできていないので、もっと詳しく知りたいなと思った方はぜひ本書を手にとって読んでみてください。
最後まで見ていただきありがとうございました。