農業系

【兼業おすすめ】ビジネスパーソンの新・兼業農家論を要約

こんにちはー!

今回は井本義久さんのビジネスパーソンの新・兼業農家論の本を要約していきます。

まず最初にビジネスパーソンの新・兼業農家論とは、

著者の井本さんが見てきた「カッコよくて、楽しくて、健康的で、儲かる」農家が「兼業農家」で、それにプラスして今の時代に合わせたスタイルでやっている農家を「新・兼業農家」と言っています。

それではさっそく、本書のここは重要と思うところを自分なりに3つのポイントで要約していきます。

  1. FARM to TABLE
  2. 新・兼業農家論流「思いの一貫性」
  3. 三方よし

この記事は、兼業農家やこれから農業を始める人にオススメです。

FARM to TABLE

まずポイント①のFARM to TABLEです。

現在コロナ禍で改めて「食」の大切さが見直されています。

日本の食料自給率はカロリーベースで37%です。

コロナ禍以前は一般家庭には何ら影響のない話だったのですがコロナ禍に突入して特に最初の頃は「もうすぐ輸入制限がかかるかもしれない」という憶測からスーパーの食材を買い占める人が続出しました。

過去を振り返ると戦後の食は「空腹」が満たされれば良かったのですが、経済成長過程では「おいしさ」が優先されました。

しかし今は「健康的」が大事になってきています。

また、本書では「食」は毎日の一番身近なエンターテイメントだと書かれています。

そこには農家たちが心を込めて育てた農作物たちが踊っていると。

そしてその農家たちのストーリーを聞き、想い、感謝しながら味わうと人生の面白さは10倍増す、と著者は言っています。

みなさん「FARM to TABLE」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

食の安全性を確保するため、生産者(農業)から消費者(食卓)まで一貫した安全管理をする、というアメリカ発の価値観で、食品・飲食業界を中心に近年大きなトレンドになっています。

著者は全国100人以上の農家にあっていて、うまくいっている農家はテーブルのことを理解しているといっています。

自分の作った農作物を、誰にどうやって食べてもらいたいのかを明確にデザインできている、と。

ここでいうデザインというのは考えのことです。

そもそもデザインというのは、色や形状で構成された表現のことを指すのではなく、「想い」をカタチにしていく作業そのもののことと本書では書いてあります。

逆の方法として「TABLE to FARM 」も大切です。

つまりレストラン側などから、この食材は農園主がどんな想いで育てたものなのかを理解し、お互いのことを思いやり理解し合うことが大切ということです。

「思いの一貫性」

次にポイント②の「思いの一貫性」

スペインの最高峰といわれる生ハムの製造をみた教授の話を本書でしてくれています。

育成時期の最後にどんぐりを食べさせてナッツのような香ばしい甘みをつけるとされる「イベリコ豚」の現場を体験した日、教授は大きな意識の変容が起きたと言います。

そこでは、イベリコ豚が生育される最後の半年間のためだけに、広大な広さのどんぐりの森を作ったそうです。当然オーガニックだし、どんぐり以外にも草やきのこなどが豊富。豚たちは好きなだけ食べて体を大きくします。

更に驚くべきことに、豚を放牧するその場の広さは、500ha、実に東京ドーム約106個分。

しかもそこで暮らす豚の数は500頭のみです。

つまり東京ドームの中に豚は5匹ということです。

そして、どんぐりを管理する人、豚たちを管理する人、そのあと屠殺(とさつ)、解体、塩漬け、熟成、さらにハムの販売員や飲食店で働く人、それぞれの担当者がみんな、自分の仕事にものすごく誇りをもっていたというのです。

仕事の内容も立場も全く違うのに、”自分がこの世界一のハムを作っているんだ”という誇りに満ちていて生ハムと自分の仕事の素晴らしさを語り続けていたと言っています。

誇りを持って働くと人が輝くということ、そして、端から端まで全員の思いが一貫してることを目の当たりにして、とても感動した、と教授は言っていたそうです。

農作物はこの「思いの一貫性」がとても大事です。

そして、つくったモノの価値を最大化させる3つの方法を本書ではこう書いています。

  • ブランドづくりという観点からモノづくりをすること
  • 出口(価格+販売先+営業方法)を明確にすること
  • 生み出したブランド(商品)を心から愛すること

三方よし

最後のポイント③の三方よし

農業って手間もかかって大変そう、というイメージを多くの人が持っていますが

実は楽しくて、かっこよくて、健康的で、儲かるんだという事実があります。

近江商人の商売哲学である「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」という「三方よし」という考え方があります。

「売り手よし」とは自分、「買い手よし」とはお客様、「世間よし」は社会、が気持ちいいということです。

著者はこの「三方よし」のバランスがわかってからうまくいくようになったといっています。

そして最も重要なことは小さくても質が高ければうまくいくということです。

自らの哲学をしっかりと持って、それを十分注ぎながら物事を動かせば、必ず本質が生まれます。

いきなりですが自分オリジナルの数値目標を設定します。

①何をいくらくらいの価格帯で売りたいのか?

②月々どのくらいの量を作ることが可能(イメージ)なのか?

③月々のランニングコスト(支出=原価+人件費+他経費)はどのくらいかかるか?

④①✕②はいくら=月売上

⑤(①✕②)ー③はいくら=月利益

ざっくりとした事業予算計画です。

これを細かくすればするほどリアルな事業予算計画になってきます。

「売上を上げる」「支出を減らす」「利益を増やす」の3つを呪文のように唱えながら計画を細かく修正して勧めていけば必ず結果は出てくると本書では書かれています。

そして新・兼業農家は、

「小さなエネルギー=少ない資本や労働力」によって「大きな豊かさ=暮らしと商いのグッドバランス」を実現することです。

そのためにはミクロ視点とマクロ視点の両方を同時に持つ必要があると著者はいっております。

ミクロ視点とは「今、目の前にある状況を乗り越えていくセンス」、

マクロ視点とは「未来を想像し創造していくセンス」、

両視点をもてば「たとえ今はお金が無かったとしても未来にはこんなおもしろいことをカタチにするから、今できることは、あれもこれもそれもあるね」という気持ちが生まれてきます。

自分の向かう方向にドキドキ、ワクワクもしてきます。

そしてチャンスは向こうからやって来きます。

「お金がない状態を悲観して諦める人」か「お金がない状態でも希望を持って行動する人」との結果は明白です。

まとめ

最後に、農業の最大の特徴は食いっぱぐれないということ。

農家はそもそも人間が生き延びるのに必要な「食料の源」を創っている。

それをしっかり「商い」に転換することができれば金銭的にも「食っていける」状態になります。

まとめとして、

ポイント①では、自分の作った農作物を誰にどうやって食べてもらいたいのかを明確にデザインすること。

ポイント②では、ブランド価値を高めるのは、自らが「こうありたい」と思う気持ちこそが大切ということ。

ポイント③では、「三方よし」のバランスを理解すること。

ということで、ビジネスパーソンの新・兼業農家論を要約していきました。

この記事では本書の一部しかお伝えできていませんのでもっと詳しく知りたいなと思った方はぜひ本書を手にとって読んでみてください。

最後まで見ていただきありがとうございました。