こんにちはー!
今回は、先日「【多量要素】カルシウム、マグネシウム、イオウの役割を解説!」という記事を書いたのですが、それに関連した記事を書いていきます。
肥料には比較的多量に必要な要素が9つあり、このうち、炭素、水素、酸素は空気中や水から供給されます。
残りの6つの要素は、肥料が必要です。
その6つのうちの窒素、リン酸、カリウムは、作物を育てるのに必要な量は多く、肥料として与えるとその効果は大きくなります。
したがってこれらの窒素、リン酸、カリウムは、肥料の3要素と呼ばれているのです。
もちろん残りの3つの要素、カルシウム、マグネシウム、イオウも多量に必要な要素になります。詳しくはこちらで解説していますので良かったら見てみてください。
今回は、肥料の中でも多量ではなく、微量に必要な要素の役割について解説していきます。
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微量要素とは
微量要素とは、作物の生育に必要な栄養素のうち、作物体内にあまり多く含まれないものが微量要素です。
現在は8つの要素が認めまれています。
その8つの要素とは、鉄、マンガン、亜鉛、銅、塩素、モリブデン、ニッケル、ホウ素です。
これらの作物体内での役割は、主に3つに分けることができます。
①葉緑素の生成と働きに不可欠なものは、鉄、マンガン、亜鉛、銅、塩素です。
②酵素の構成成分として不可欠なものは、モリブデン、ニッケルです。
③細胞の形成と維持に働くものは、ホウ素です。
微量要素は、基本的に、土壌の天然ミネラル成分が供給源となっています。
8つの微量要素
鉄 | 作物体内では、葉緑素の生成を助ける大事な成分です。 また代謝や呼吸に関わる酵素の構成成分でもあります。 土壌がアルカリ化すると吸収されにくくなり、欠乏症状が出るので注意が必要です。 |
マンガン | 作物体内では、炭水化物やチッ素などの代謝に関わる酵素に含まれる微量要素です。 葉緑素のほかビタミン類の生合成にも必要な成分になります。 土壌がアルカリ化すると吸収されにくくなり、欠乏症状が出るので注意が必要です。 |
亜鉛 | 作物体内では、酸化還元酵素やタンパク質、でんぷんなどの合成に関わる成分です。 作物の生育に必要な亜鉛は、土壌中に十分含まれているので欠乏症状が出ることは比較的少なくなっています。 |
銅 | 作物体内では、酸化還元酵素の構成成分として、呼吸作用に関わる成分です。 この酵素は通常、細胞内に存在していますが、作物の細胞組織が傷つくと、殺菌作用のあるフェノール類を生成し、作物を守ります。 また、葉緑素の形成に関わり、炭水化物、タンパク質の代謝にも重要な働きをします。 |
塩素 | 作物体内では、各種炭水化物の合成や光合成に関わる成分です。 繊維質が多くなり、病害抵抗性を高める働きがあります。 |
モリブデン | 作物体内では、硝酸還酵素の構成に関わる成分です。 硝酸態窒素のタンパク質同化に重要な働きがあります。 また根粒菌の窒素固定にも必要です。 |
ニッケル | 作物体内で生じる尿素の分解酵素の構成に関わる重要な成分です。 最も新しく微量要素に加わった元素になります。 |
ホウ素 | 水分、炭水化物、窒素代謝に関わる成分です。 根や新芽の生育を促進します。 |
以上が8つの微量要素の役割になります。
最後まで見ていただきありがとうございました。
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